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ソフトウェア開発者として働く人の技術的なメモ

第1回渋谷アドテク勉強会に参加しました

先日、株式会社ミクシィさんの下田さん(twitter:@rindai87)を発起人として行われた、第1回渋谷アドテク勉強会に参加してきました。イベントの趣旨としては、

「こういう狙いでこの機能を作って、それを実現されるためにこんな技術を使っている」そんなちょっとディープだけど技術より過ぎないお話をしていただこうと思っています。 ビジネスサイドと技術サイドの間を埋めるような、そんな勉強会にしたいと思います。企画/営業の方から開発者まで幅広くご参加いただき意見交換出来る場にしたいですね。

ということで、アドテクに関する仕事をしている人であれば、誰でもウェルカムなようです。

今回は第1回目でしたが、私も仕事でアドテク周りに携わっていることもあり、同じ業界のエンジニアさん達と交流がもてて、特に懇親会はとても楽しむことができました。エンジニア中心にこの業界での勉強会は需要がありそうですし、第2回があれば参加者も増えそうですね。社内ではありますが勉強会を運営している身分としては、こんなに大規模な勉強会を定期的に回すのは大変そうではありますが…次回もぜひ参加させて頂きたいです。

ミクシィさんの下田さんがイベント後記を書かれていますので、こちらもぜひご覧ください。「adtech周辺に興味がある人の四方山話 / 第1回渋谷アドテク勉強会を開催しました

発表内容

勉強会の詳細ページから抜粋させていただきました。アドテクプレイヤーの解説や、各企業さんで作っているアドテクサービスの説明や、そこで使っている要素技術の説明がありました。

『Head First Ad Technology and DMP』/ 株式会社adingo 鈴木さん

adingo の鈴木さん(twitter: @suzu_v)は、アドテクの歩みについてと、自社で開発しているDMP(Data Management Platform) の cosmi についてお話しました。

鈴木さんの資料は下記 slideshare にアップロードされていますので、ご覧ください。また、鈴木さんのブログも併せてご覧ください。(Source Notes to the Future.「第一回渋谷アドテク勉強会で発表して来ました」

[slideshare id=21315938&doc=shibuya-ad-201305-130517041526-phpapp02]

発表の流れとしては、DSPSSP の登場により、cookie 単位で広告の最適化が行えるようになり、そのユーザがどのような属性を持つのかをセグメント情報として保持する DMP(Data Management Platform) が登場してきた、という流れになっています。

DMP とは、どういうユーザかを判定する場所で、複数のチャネルからデータをまとめ、集計し、活用するためのツールです。アメリカでは、マーケティングデータを全て入れようとしている企業もあるそうで、注目度合いが増してきていることをお話されました。

実際はログからどう価値を見いだすかを日々調査しており、新しいセグメントを作ったり、セグメントの精度を向上させるために、仮説検証のPDCAサイクルを回すことが非常に大切だと語ります。

adingo で作っている DMP サービスの cosmi は 2011年からサービスを開始しました。利用している要素技術として、データを解析するフェーズで Hive や Pigg などをはじめとした Hadoop、データを利用するフェーズでは WebAPI を開発しているそうです。サーバは AWS 上で構築しており、MongoDB を利用されているそうですが、負荷分散をさせるためのシャーディングが難しいなど、運用の大変さも語りました。

株式会社ミクシィ 大谷さん

ミクシィ Vantage

ミクシィの大谷さんは、正式販売前のプロダクトである DSP サービス、 Vantage を紹介しました。

Vantage とは mixi のオーディエンスデータを生かした DSP サービスです。OEM ではなく内製で作っています。今までも mixi 内のユーザの情報を利用して広告を出していましたが、これを mixi の「外」でもユーザの情報を利用した広告を配信したいということで、本サービスが立ち上がったそうです。2012年末から開発を開始し、現在テスト配信中とのことです。

mixi のユーザのデータを広告に利用する際には、データ漏えいやセキュリティ対策にとても気を使っているようです。本家 mixi のシステムとは一切切り離して、ID も mixi の ID をハッシュ化して利用し、データ連携は API 経由で行っているそうです。

なお、Vantage でも AWS を利用しており、そこで利用している要素技術についても発表がありました。

まだ正式販売前のプロダクトということで、各指標の数値は公表されませんでしたが、mixi のユーザデータが広告で利用できるとあれば、かなり力のある DSP サービスになりそうです。

『AdExchangeから見たDemand Player&Supply』 / 株式会社サイバー・コミュニケーションズ メディア開発部 秦さん

CCI の秦(はた)さんは、アドエクスチェンジとして OpenX Market を紹介しました。秦さんは今回の発表者では唯一の営業職であり、ターゲティングとノンターゲティング広告をどのように捉えて使い分けるべきかをお話頂きました。

様々な広告主と媒体主を束ねるアドエクスチェンジですが、在庫の価値はメディアとユーザーのどちらにあるのか?という問題提起をし、様々な指標をご紹介頂きました。今のアドテクの流れとしては、DSPSSP の登場により、cookie 単位で広告の最適化が行えるようになったため、「枠から人へ」と説明がされることが多いです。ユーザー視点だと広告の買い付け理由も説明しやすいことも、普及している一因のようです。

しかし、CCI はアドエクスチェンジの1つとして、ターゲティングを行わない(ノンターゲティング) ADJUST というサービスをもっています。ノンターゲティングはターゲティングと比べるともちろん CTR は下がりますが、枠の絞り込みが少ないため、ターゲティングと比べて多くの広告露出が可能です。数が多い分、CTR が低くても広告効果が出ることになります。

ターゲティングとノンターゲティングの入札傾向についても話がありました。OpenX Market Japan の WinRate は25%。つまり RTB に入札して 4回に1回しか勝てない、ということになります。低いDSPだと1%にもなってしまうのだとか。この数値は時期により急激な変化は見られません。異なる指向の媒体に広告を出してしまうと、心理ストレスや着目度が異なると言い、ターゲティング広告は媒体情報をもっと生かすべきではないか、と秦さんは語ります。

最近用語が広まっているプライベートエクスチェンジについても話がありました。 OpenX の deal ID、Google Ad Exchange のPreferred Deal が海外に広まっているそうですが、各プレイヤーによってプライベートエクスチェンジの捉え方が異なるため、注意が必要です。例えば、広告主であれば「自社案件のみ指定の在庫をターゲティングで購入したい」、DSP事業者であれば「自社のDSPのみ購入可能な在庫がほしい」、媒体社であれば「指定の案件のみ在庫を提供したい。インプレッション保証もほしい」等など…。

アドテクというと、DSPSSP、最近は DMP に話の中心が置かれてしまうので、アドエクスチェンジについての話は貴重でした。秦さん、ありがとうございました。

『アドテク界隈におけるAWSの使いドコロ』 / アマゾン データ サービス ジャパン株式会社 今井さん

AWS の今井さん(twitter:@imai_factory)は、タイトルにあるように、アドテク界隈でのAWSの使いどころを話しました。

実際にいくつかの企業名を出して AWS の活用方法を説明頂きましたが、AWS の使い所として1つめは、システム的に切り出しやすいところから利用する、というものです。クリエイティブの配信や、ログ保存として、クリエイティブのオリジンの管理をしたり、EMR で集計や最適化計算をする部分を AWS に切り出すことが可能です。

2つ目に、インスタンスの性能が増してきたので、アプリケーションサーバやDBでの利用シーンも増えているとのこと。DynamoDB も2013年4月に6割以上の値下げを行い、気軽に利用できるようになりました。

3つ目に海外への進出が容易であるということ。同じサーバ構成で海外リージョンを選択すれば、遅延を気にすることなく、海外でサービス展開ができます。

今後の使いどころとして面白かったのが、AWS 上に乗っているサービス同士だと、データ通信が早いということ。物理的に距離が遠い企業間であっても、両社が同じリージョンを使った AWS サービスを運用していれば、そのサービス間の通信は、同じ AWS リージョン内での通信となるため、非常に早いということでした。